放射能と保険
東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)による福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)でもよく話題となる放射能、放射線。
放射線とは、光の仲間で、放射性核種の崩壊によって放出されるα(アルファ)線・β(ベータ)線・γ(ガンマ)線の総称のことです。そして、放射能とは、物質から自発的に放射線が放出される性質のことです。放射線を体に受けることを被曝(ひばく)といい、放射線を大量に浴びると細胞の遺伝子が傷つき、がんや白血病などの病気を引き起こします。
でも放射能、放射線の保険ってあるのでしょうか?
放射能被害に対して、個人として加入する保険はあるのでしょうか?
事業者
原子力発電所や核燃料工場等での事故で発生した損害賠償責任をてん補する、原子力損害賠償責任保険というのがありますが、これは原子力事業者に加入を義務付けられた保険です。核物質の輸送中に生じた原子力事故による賠償責任をてん補する原子力輸送賠償責任保険、原子力船用の原子力船運行者賠償責任保険といったものもあります。
ですから原子力事業者には専門の保険があります。
保険会社
保険会社は損害規模が大きいので、複数の損害保険会社による原子力保険についての引受共同体の組織を作っています。これを原子力保険プールといいます。
保険会社は原子力の事故に限らず、巨額の支払いに備えて、別の保険会社にも入ります。
これを再保険といいます。
なので保険会社も保険に入っているんです。
個人
国内には個人向けの放射能保険という名前の保険はありません。しかし、保険会社から出している「がん保険」が、それに該当します。たとえば、アフラックの医療保険、がん保険は、福島第一原子力発電所事故により被曝して癌(がん)になった場合、契約者は保障され、また今後同じような事故が起きても保障の対象になるようです。
なので個人でも放射能被害に対しての保険があります。
*保険会社によって違いますので、被曝が保障の対象かどうか免責事項、契約事項に目を通し、直接、保険会社に確認することをお勧めします。
放射能について
放射能とは? 日常生活の放射線量
宇宙や大地、大気、食物などの自然界からの放射線と、医療や生物学、建造物の検査など人工的に作られた放射線。
最近では東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)による福島第一原子力発電所事故(福島原発事故)でも放射能、放射線は話題となっていますね。気にした事はありませんでしたが、日々絶えず放射線を受けながら生活しているのが解かります。
日常生活における放射線量
日常生活と放射線 | ||
放射線の量(マイクロシーベルト) | 日常生活 | 種類 |
250,000マイクロシーベルト/年 | 引き上げ後の上限 | 自然放射線 |
100000マイクロシーベルト/年 | 緊急作業従事の場合に認められている上限 | 人口放射線 |
50,000マイクロシーベルト/年 | 放射線業務従事者及び防災に係る警察、消防従事者に認められている上限 | 人口放射線 |
10,000マイクロシーベルト/年 | ブラジル・ガラパリの放射線(年間、大地などから) | 自然放射線 |
6,900マイクロシーベルト/回 | 胸部X線コンピュータ断層、撮影検査(CTスキャン)(1回) | 人口放射線 |
2,400マイクロシーベルト/年 | 1人辺りの自然放射線 | 自然放射線 |
1,000マイクロシーベルト/年 | 一般公衆の線量限度(医療は除く) | 人口放射線 |
600マイクロシーベルト/回 | 胃のX線集団検診(1回) | 人口放射線 |
400マイクロシーベルト/年 | 国内自然放射線の差(県別平均値の差の最大) | 自然放射線 |
200マイクロシーベルト/往復 | 東京−ニュウヨーク航空飛行機(高度による宇宙線の増加) | 自然放射線 |
50マイクロシーベルト/回 | 胸のX線集団検診(1回) | 人口放射線 |
50マイクロシーベルト/年 | 原子力発電所(軽水炉)周辺の線量目標値(実績ではこの目標値を大幅に下回っています) | 人口放射線 |
22マイクロシーベルト/年 | 再処理工場からの放射線物質の放出による評価値 | 自然放射線 |
10マイクロシーベルト/年 | クリアランスレベル導出の線量目安値 | 自然放射線 |
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Sv(シーベルト)とは放射線の種類による生物効果の定数 | ||
自然放射線も人工放射線も、身体に受ける放射線の量が同じであれば影響も同じです | ||
出典:文部科学省 |